静脈麻酔のお話
2019.03.29(金)
3月までは木曜日は休診日とさせていただいておりましたが、4月からは診療させていただきますのでよろしくお願いいたします。
今まで木曜日は実は休んでいた訳ではなくて、都立多摩総合医療センター歯科口腔外科で非常勤医として主に静脈麻酔を担当していました。
3月28日で都立多摩総合医療センターの非常勤医を退職して4月からスガオデンタルクリニックに専念することになりました。間は抜けていますが10年程お世話になった職場を退職するのは感慨深いものがありますね。長い間大変お世話になりました!!
今日は私が多摩総合医療センターで主に担当していた静脈麻酔についてお話しをしましょう。皆さんの中にはご存知の方もいるでしょうが、一般的にはあまり知られていないかと思います。
歯科治療って口を長時間空けてなければいけなかったり、削られる感覚、痛み、色々な不快症状を伴いますよね。(実は私も苦手です…。)もちろん、そういうことがないように歯科医師としては配慮してなるべく辛くならないようにしています。しかし、どんなに配慮していても限界はあります。
少しでも楽にできる方法は無いのか? そんな時に静脈麻酔は非常に有効だと思います。普段寝ている時の様な状況に近付けて処置をします。ほとんどの方は寝て起きたら終わっているような感覚で処置を受けることができます。薬の効き方は個人差があるので、100%寝ていますとは言いきれません。(睡眠導入剤などの代謝する酵素が近いお薬を常用的に服用されている方や、大量のアルコールを頻繁に摂られる方等は効きにくい事があります。)
処置の際に口の奥を触られるとオエっとなってしまい、吐きそうになるという方も歯科治療が楽に受けられますし、お口を長時間開けているのが難しい方(一部のチャレンジドの方など)にも行えます。
他にリラックスできて受けられる治療方法としては笑気麻酔もありますが、効果の確実性や気持ち悪くなる可能性を考えると静脈麻酔の方がやはり楽に受けられるのではないかと思います。
点滴で薬を入れますので注射を頑張る必要がありますが、注射は短時間で済みますので恐怖心が強い方にはオススメです。気をつけることとしては処置前の禁飲食が必要になることや、処置終了後は運転が出来ない状態になることです。
全身状態によっては静脈麻酔が行えないこともあります。また当院のような全身麻酔器のない病院で行う場合や、特定の診断名が付いていない方には基本的に保険適応外になってしまいますので気になる方はご相談いただければと思います。