歯を失う原因1位!?歯周病とは
2019.04.14(日)
こんばんは。新年度が始まり、もう4月も半分過ぎましたね。ブログの更新はゆっくりですが続けていきたいと思います!
さて、みなさんは「歯が抜けた」と聞いて何をイメージされますか?健康的な歯が抜けた、歯を抜かなければいけない…そんな状況になるのはどんな時でしょうか?
厚生労働省の調べによると歯を抜く原因の1位は歯周病でおよそ4割、次いで虫歯の約3割、歯が割れたのが1割であったそうです。
(肉眼では分かりにくい亀裂や割れなどは見逃されていると思いますので、歯が割れてしまったせいで抜歯になった歯はもっとあった可能性があります。)
1位の歯周病は進行した場合には歯槽膿漏とも呼ばれる病気ですが、どんな病気かご存知でしょうか?
歯周病は読んで字のごとく歯の周りの組織の病気です。
歯の周りの組織?と思う方もいるかもしれませんので歯の周りの構造についてお話を少ししましょう。歯の周りには歯肉、歯根膜、歯槽骨と呼ばれるものがあります。歯肉とは歯ぐきのことですね。歯根膜とは歯の根の周囲にある組織で、歯と骨とを繋ぐ役割をになっています。(みなさんが噛みごたえを味わえるのはこの歯根膜にあるセンサーがあるおかげです。)歯槽骨とはその歯を支えている部分の骨です。この歯槽骨と歯の根の周りにあるセメント質とが歯根膜でつながって、歯が生えているのです。
歯周病に話を戻しましょう。歯周病は先ほど述べた組織の病気になります。どうやって病気になるかと言いますと、細菌の感染です。口の中には約800種類を超える細菌がいると言われており、人それぞれで菌のバランスが異なります。この中で歯周病を起こしやすい菌の種類があります。これらの菌と体の防御反応のバランスの崩れで歯周病は進行していきます。
歯周病はどういった症状が出るのでしょうか。
初期の段階での主な症状としては歯肉の腫れがあります。歯肉の部位で炎症が起きると体は細菌が体の中に侵入してこないように反応し歯肉の腫れが起こるのです。この組織反応の中で歯肉にある繊維組織が破壊されていきます。これに伴って歯と歯ぐきの間の溝がどんどん大きくなっていきます。(炎症が歯槽骨の周囲で起こると骨の吸収を伴うこともあります。)
すると、酸素の届かない部位が増えていきます。酸素が届かないところには酸素を苦手とする菌=嫌気性菌が増えることができるようになります。この嫌気性菌の中に歯周病を進行させる毒性の強い細菌がいます。これらの菌が増えてくると体は細菌を体内に入れまいと過剰な反応を起こすします。この過剰な反応がさらに歯ぐきの構造を壊し、骨の吸収を進めます。
歯周病が進むと歯がグラグラしてくるのはこの骨の吸収が進み支えることが出来なくなった場合が多いのです。そしてさらに進むと遂には噛む力に耐えられなくなり、自然に抜け落ちたり、抜歯が必要な状況になってしまいます。
どうでしょうか。これが歯周病になります。
歯周病の反応は、組織の破壊が進まない時期と破壊が進行する時期とに別れており歯周病になってもこの進まない時期にとどめておく事で歯を長持ちさせることができると考えられます。
歯周病はサイレントディシーズとも呼ばれ重症にならないと痛みや腫れに気づかないこともあります。重症になってからの治療は非常に厳しい状況になってしまいます。是非早めに受診をして歯周病の進行しない状況を作り上げることをお勧めします。