年末年始休診のお知らせ
2023.12.18(月)
年内は12月28日(木)午前まで診療し、
12月29日(金)〜1月4日(木)は休診日とさせていただきます。
年明けは1月5日(金)より通常通りの診療となります。
ご迷惑をおかけしますが何卒よろしくお願い致します。
多くの人が勘違いしている!?歯科にまつわる5つのこと①
2020.05.28(木)
どうもこんばんは。
今日は普段お話ししていて、みなさんが結構勘違いしているなと私が感じることについてお話ししたいと思います。それは以下の5つです。
- 歯は問題が起こったら治療すればいい。
- 被せ物を入れたら治療は終わり。
- 痛いところは自分でわかる。
- 歯磨きをすれば虫歯を防げる。
- 早い治療がいい治療だ。
それでは一つずつどのような勘違いか解説していきたいと思います。
1.歯は問題が起こったら治療すればいい。
みなさんは歯の治療が好きですか?中にはそういう方もいらっしゃるかと思いますが、苦手という方は多いですよね。ともいう私も治療をされるのは苦手です^^;
できれば歯医者に行きたくないので、少しぐらいの違和感であればそのまま放置して、痛くなったら歯医者に行けばいいと考える人もいらっしゃるのではないでしょうか?
これは注意が必要です。
風邪や怪我であれば軽症であれば自然に治癒します。しかし歯については違います。放置をしておいて虫歯が治るということはありません。(神経が死んで痛みが消えることはありますが…)
虫歯は進行(虫歯菌の出す酸で歯が壊されている状態)と停滞(虫歯菌による歯の破壊がほとんど起きていない状態)を繰り返します。虫歯が進行するとどんどん歯の構造的な強さを失っていきます。この構造的な強さは回復することがほとんどありません。
さらに歯(特に神経をとっている歯)の症状はかなり悪化しないと出てこないことも多いです。
歯の痛みが悪化してから治療する時には、すでに歯が弱くなってしまっていることがあるのです。
虫歯で歯の強さが失われた場合、治療法の選択肢が狭まることがあります。
虫歯を放置したばかりに歯に満足いく治療を行えないこともあります。
逆を言えば虫歯の初期の段階で治療する場合には治療法の選択肢が増えます。一般的に小さい虫歯であれば痛みも少ない治療で済むことが多いです。(選択肢の中には治療しないで経過をみるということもあります)
ですので歯は問題が起こったら治療をすればいいという考え方は歯の治療が大変になったり、希望する治療ができなかったりすることもありますので注意が必要です。
ではどうすればよいのか?
上の方にもお書きしたように歯の症状は悪化しないとご自身では気づかないことが多いと思います。やはり歯医者に定期的に診てもらうことが良いと思います。そして少しでも違和感があるようであれば歯医者に相談するということを意識していただいた方がいいと思います。
繰り返しになりますが歯の強さは失われると回復することがほとんどありません。早め早めの対応をするためにも、皆さんには定期的な歯科検診をオススメします。
虫歯は予防が大事!気をつけたい3つのこと
2020.05.17(日)
ちょっと油断したら投稿が遅くなってしまいました。
さて今回は前回の話の続きどうしたらむし歯にならずに済むかというお話です。
前回説明したようにむし歯は1.むし歯菌、2.食べ物、3.歯の強さが主な原因です。
これらに対してどのように生活していけばよいのかを考えていきましょう。
1.むし歯菌にはやっぱり歯磨き!それと…
むし歯菌の代表格はミュータンス菌ですが、どこに多くいるかというとプラーク(歯カス)の中にいます。。菌の数を減らすことを考えればいわゆる殺菌効果を謳っているうがい薬も有効です。しかし歯の表面に汚れが残っていたり、菌が表面に作り出すバイオフィルムといわれるバリアーの様なものがついてしまっていると汚れの中やバイオフィルムに守られている菌にはうがい薬はほとんど効きません。
ではどのようにすれば良いのでしょうか。まずは機械的な掃除、つまり歯磨きをすることです。また、取り除きにくい歯と歯の間などはフロスや歯間ブラシを使用すると一層効率がよくなります。歯周病予防も含めお口のケアには歯磨き、フロス(・歯間ブラシ)、うがい薬の3つを合わせて行うことが有効だと考えられます。
また、菌は増えて時間が経つと歯にくっつく力が強くなってしまい、取り除くのが難しくなってきてしまいます。なので毎食後磨くというのは一回一回の歯磨きが簡単になるのでおすすめです。
毎食後なんてできないよという方には忙しい時間は軽く歯磨き(最悪うがいでもいいです)し、夜寝る前にはしっかり時間をかけて磨くことがオススメです。
2.食べ物は頻度と時間に注意!
ミュータンス菌は糖分を餌にしています。この餌を減らすことが大事です。前回お話をしたように糖分をダラダラ摂ったり、頻繁に摂るとむし歯になりやすくなります。そのため頻度と時間を気をつけるだけでもむし歯予防には有効です。これは歯の周囲のpH変化が影響しています。糖分を摂るとグラフの様に菌が酸を出すことによって歯の周囲のpHが低下します。pHが5.5を下回ると歯の表面が脱灰と言って壊されてきます。しかし唾による酸の中和作用と歯の修復作用によって歯の構造は壊されたり治ったりをすることによって歯は構造が保たれています。食事を規則正しく摂っている場合にはグラフの様に歯の修復が行われる時間が確保できます。しかし、間食が多い場合にはグラフの様にpHが5.5を下回る時間が増えてしまいむし歯が進行しやすくなってしまいます。このことからむし歯にならない様にするには食事を規則正しく摂ることが大切だと分かります。また、飲み物に入っている糖分にも注意が必要です。
3.フッ素は歯を強くする!
歯の強さという面でいうとフッ素はかかせません。フッ素はしっかり使えればつばの修復作用が起こる際に歯の構造が強化され歯の表面が酸により壊されにくくなります。これがむし歯予防にフッ素が有効な理由です。しかしフッ素の使い方には注意が必要です。フッ素入り歯磨き粉が一般的ですが、フッ素は水に弱いことは頭に入れておかなければなりません。つまり歯磨きをした後はぶくぶくうがいをせずに軽くゆすぐ程度にし(水でゆすがず唾を吐き出すだけでもいいと言われることもあります)、歯磨きした後30分程度は口に物を入れないようにしましょう。
以上3つについて説明させていただきました。どれも大事なことです。むし歯になりにくくするには、毎日の積み重ねが大事です。いつまで自分の歯で食べられるように頑張りましょう。
むし歯はどうやってなるのか?
2019.04.26(金)
皆さんはむし歯というとどのような印象をお持ちでしょうか?
歯が黒くなる。穴が空く。痛い。など嫌なイメージが湧いてくるでしょうか。
今回はむし歯について少しお話をしたいと思います。
むし歯ってどうしてなるの?
むし歯がどうやって発生するかを考えましょう。前回お話しした歯周病と同じようにむし歯も細菌感染によって起こります。いわゆるむし歯菌による感染です。
歯についた歯垢の中にはむし歯菌が多数存在します。むし歯菌は糖分を栄養分にします。そしてその糖を代謝して酸を出します。この酸が歯を溶かしてしまうのです。全ての人の口の中でこのようなことが起こっていると考えられます。しかし、むし歯がある方もいれば全くむし歯がいない方もいます。
何が違うのでしょうか?
カイスの3つの輪と呼ばれる物があります。これはアメリカのカイスという学者が提唱したむし歯になる要因の3つ(①むし歯菌、②食物、③歯の強さ)の条件が揃った時にむし歯になるというものです。むし歯になってしまった方はこの3つがむし歯になる状態になってしまっていた可能性が高いと考えられます。
ではこれら3つがどのようなものかを考えていきましょう。
①むし歯菌
口の中の細菌の割合というのは人それぞれ異なります。むし歯菌の割合が多い方はむし歯になりやすくなってしまいます。
またむし歯菌の数も多ければなりやすくなります。むし歯菌の代表的なものといえばミュータンス菌ですが、この菌はおよそ40分に1度分裂して倍になるといわれています。爪楊枝で歯を軽く撫でて先に汚れが取れたら爪楊枝の先につくぐらいの汚れの量で細菌は1億匹いると言われていますので、その爪楊枝の先ぐらいの汚れにいる菌が夜歯磨きをしないで8時間寝ると朝には単純計算で256億匹に…
②食物
これは特に糖分です。糖を取る頻度が多い方、口の中に長くいるような糖分を好む方は特になりやすいので見直したほうがいいです。ここでいう糖分とは飲み物も含まれます。大人の方で多いのは微糖の缶コーヒーなどを少しずつ飲まれる方がむし歯になってしまったというケースです。
また酸の強い飲料を好む方も注意が必要です。清涼飲料水、炭酸飲料や乳酸菌飲料などはそれ自体に歯を溶かす効果はありますのでこれも頻度、ダラダラ飲むなどは気をつけなければいけません。
③歯の強さ
歯の強さと聞くと、遺伝的な要素で元々弱い…といったことをイメージされるかもしれませんがそういったケースはあまりありません。
乳歯や生えたての永久歯は石灰化が弱く破壊されやすいので子どもの頃はむし歯になりやすいのも歯の強さの影響です。
また歯周病によって歯ぐきが下がってきてしまうと歯の強度の弱い根の部分が露出してむし歯になりやすくなります。
これら3つの要因が続く時間があってむし歯は起きてきてしまうのです。
今回はむし歯がどうやってなるかということをお話ししました。
次回はむし歯の予防法についてお話ししたいと思います。