むし歯はどうやってなるのか?
2019.04.26(金)
皆さんはむし歯というとどのような印象をお持ちでしょうか?
歯が黒くなる。穴が空く。痛い。など嫌なイメージが湧いてくるでしょうか。
今回はむし歯について少しお話をしたいと思います。
むし歯ってどうしてなるの?
むし歯がどうやって発生するかを考えましょう。前回お話しした歯周病と同じようにむし歯も細菌感染によって起こります。いわゆるむし歯菌による感染です。
歯についた歯垢の中にはむし歯菌が多数存在します。むし歯菌は糖分を栄養分にします。そしてその糖を代謝して酸を出します。この酸が歯を溶かしてしまうのです。全ての人の口の中でこのようなことが起こっていると考えられます。しかし、むし歯がある方もいれば全くむし歯がいない方もいます。
何が違うのでしょうか?
カイスの3つの輪と呼ばれる物があります。これはアメリカのカイスという学者が提唱したむし歯になる要因の3つ(①むし歯菌、②食物、③歯の強さ)の条件が揃った時にむし歯になるというものです。むし歯になってしまった方はこの3つがむし歯になる状態になってしまっていた可能性が高いと考えられます。
ではこれら3つがどのようなものかを考えていきましょう。
①むし歯菌
口の中の細菌の割合というのは人それぞれ異なります。むし歯菌の割合が多い方はむし歯になりやすくなってしまいます。
またむし歯菌の数も多ければなりやすくなります。むし歯菌の代表的なものといえばミュータンス菌ですが、この菌はおよそ40分に1度分裂して倍になるといわれています。爪楊枝で歯を軽く撫でて先に汚れが取れたら爪楊枝の先につくぐらいの汚れの量で細菌は1億匹いると言われていますので、その爪楊枝の先ぐらいの汚れにいる菌が夜歯磨きをしないで8時間寝ると朝には単純計算で256億匹に…
②食物
これは特に糖分です。糖を取る頻度が多い方、口の中に長くいるような糖分を好む方は特になりやすいので見直したほうがいいです。ここでいう糖分とは飲み物も含まれます。大人の方で多いのは微糖の缶コーヒーなどを少しずつ飲まれる方がむし歯になってしまったというケースです。
また酸の強い飲料を好む方も注意が必要です。清涼飲料水、炭酸飲料や乳酸菌飲料などはそれ自体に歯を溶かす効果はありますのでこれも頻度、ダラダラ飲むなどは気をつけなければいけません。
③歯の強さ
歯の強さと聞くと、遺伝的な要素で元々弱い…といったことをイメージされるかもしれませんがそういったケースはあまりありません。
乳歯や生えたての永久歯は石灰化が弱く破壊されやすいので子どもの頃はむし歯になりやすいのも歯の強さの影響です。
また歯周病によって歯ぐきが下がってきてしまうと歯の強度の弱い根の部分が露出してむし歯になりやすくなります。
これら3つの要因が続く時間があってむし歯は起きてきてしまうのです。
今回はむし歯がどうやってなるかということをお話ししました。
次回はむし歯の予防法についてお話ししたいと思います。